ドーラビーラーとは?遺跡の場所や特徴・歴史的文化的背景をわかりやすく解説

当ページでは、インダス文明を語る上で重要な「ドーラビーラー遺跡」についてご紹介します。

もくじ

ドーラビーラー遺跡とは?

1990年代に発掘された、インド西部のグジャラート地方カッチ湿原の丘陵地帯に位置するインダス文明の巨大都市遺跡。

モヘンジョダロのレンガと似たような大きさに切り出した大量の石材(石灰岩)を用いて建造され、集水溝・貯水槽などの水利施設が完備していたと言われている。

世界遺産に登録されたのは最近だが、モヘンジョダロハラッパーに続くインダス文明トップ3規模の都市遺跡で注目を集めている。

ドーラビーラーの特徴

「城塞」と「市街地」で構成された構造をもち、外壁で囲まれた範囲は東西方向770~780m、南北620~630m。

建造物は石灰岩を用いた石材造りがメインで、城塞に直径4mの巨大な井戸があり、半地下式の「沐浴場」に水路につながっているのが特徴。

インダス文明には、インダス川下流の下流域のシンド地方に位置する「モヘンジョダロ」「ハラッパー」という遺跡もある。

関連:モヘンジョダロ遺跡ハラッパー遺跡インダス文明

ドーラビーラーの歴史

ハラッパー遺跡からは、高度な技術を用いた市街計画が示されていることが分かっており、当時の人々が発明したトイレや排水システム、象牙や石器などの工芸品、文明の象徴である印章なども発明していた。

ドーラビーラー遺跡からは、文明の象徴である印章やハラッパー式の土器、動物骨、粗製の赤色土器や二彩土器などの在地系の土器が出土している。

また、紅玉髄製などのビーズ、金製品や銀製品、テラコッタやメソポタミアとのつながりをうかがわせる土器なども出土している。

そのため、ドーラビーラーは、インダス文明と西アジアにおいて輸出の流通を指揮する重要な貿易や文化交流の地であると考えられている。

ドーラビーラー遺跡の謎

インダス川を中心に発展したインダス文明に属しているにも関わらず、インダス川から300kmほど離れている。

そして、インダス川から水をひいた形跡がない。

つまり、インダス文明がインダス川流域に発展したという説を覆すような遺跡なのだ。

ただし、近隣の川は、モンスーン(雨期)になると水量が多くなるため、そこから水を引いて貯水槽に溜めて乾期に備えたと考えられている。

つまり、ドーラビーラーは、インダス川ではなくモンスーンにより水を確保し発展してきた。

ドーラビーラー遺跡からは、当時使われている文字と思われる図柄が発掘されているが、インダス文字と同様に解読されていない。

インダス文明を解明するにあたり、ドーラビーラー遺跡は鍵を握っている遺跡の一つだ。

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