通信制高校での失敗は勉強ができないことではなくしないこと

通信制高校での失敗は勉強ができないことではなくしないこと

「通信制高校に通っても十分な勉強はできない」「通信制高校は勉強できない人が行くところですよね?」といった印象があるかと思います。

もちろん中には勉強を苦手とする生徒、学習習慣のない生徒、基礎学力が定着していない生徒もいます。

しかし実際のところ、通信制高校が勉強にふさわしくない環境でもなく、学業不振者が通うためだけの場所でもありません。

この記事では、通信制高校の仕組みに触れながら、間違えてはいけない勉強方法について解説します。

もくじ

「通信制高校では勉強できない」は本当か?

高等学校卒業資格が取得できる

通信制高校での全課程を修了すると、全日制や定時制の高校と同様に「高等学校卒業資格」が得られます。

高等学校卒業資格があると…

・中卒では応募できない学校や企業に進むことができる
・中卒で働くよりも待遇が良い場合が多い

といった具合に、まだまだ日本社会では高校を卒業資格する意義が大きいという現状があります。

中卒が悪いわけではありませんが、人生の選択肢を増やすという意味では高等教育を受けておくと将来の自分に役立つことが増えるかもしれません。

通信制高校は進学や就職において不利という印象を持つ人もいるかもしれませんが、全日制にはない通信制高校の特性を活かして学業と夢の両立を果たし、各界で活躍している著名人たちも大勢います。

関連:通信制高校へ入学したら人生終わりは本当か?高等教育の重要性と合わせて解説

また通信制高校は、勉強ができなくても楽に卒業できるといった印象もあるかもしれませんが、実際には緩いものではなく、きちんとした基準が設けられています。

通信制高校は卒業基準が明確

通信制高校を卒業するためには、以下の3点をクリアする必要があります。

通信制高校卒業要件

・3年以上の在籍
・74単位以上の取得
・特別活動30単位の取得

通信制高校卒業の詳細は「通信制高校卒業要件は3つだけ【在籍期間・74単位取得・特別活動30単位】」という記事で解説しているので、細かいことは省略しますが、この条件を達成できなければ卒業はできません。

そして、この条件をクリアするためには勉強ができなくていいわけではありません。

通信制高校の勉強方法

卒業に必要な単位を習得するためには、主に以下の3種類の学習方法で勉強を進めていきます。

通信制高校の勉強方法

・レポート:自宅学習の成果を提出し添削を受ける
・スクーリング:登校して直接指導を受けたり、特別活動に取り組む
・テスト:単位の認定のために合格必須

通信制高校の勉強方法についての詳細は「通信制高校での勉強方法を解説!全日制との違いや特徴は?」という記事で解説しています。

通信制高校の勉強は自宅学習が主となりますが、学校ごとに定められた日程で登校したりすることもあります。

また通信制高校は単位制を導入しているので、テストに落ちても留年することはありません。

しかしテストに合格できなければいつまで経っても卒業ができないので、主体的に学習に取り組む必要があるのです。

通信制高校では勉強ができないと言われる理由

上記の通り、通信制高校にもきちんとした学習内容や卒業要件が満たされており、きちんと学習に取り組まなくては卒業することができません。

ではなぜ、通信制高校は勉強ができないと言われてしまうのでしょうか?

レポートを溜め込んでしまう

通信制高校の生徒は、自宅で学習した内容が適切に身についているかどうかを確認するために、学校にレポートを提出する必要があります。

レポートの内容自体はそこまで難易度は高くないのですが、全日制のように一斉に机に向かって学習をする時間が定められていないので、レポートをこなすための学習を自分で計画して進めなくてはいけません。

難易度が高くないと言っても学習していないものはできないので、自主的に学習に取り組む意欲がなくては課題が提出されないどころか、学力も伸びないまま時間だけが過ぎていってしまいます。

学校に行けない

通信制高校には学校が指定した日に登校する「スクーリング」と呼ばれる制度があります。

スクーリングの日は学校で先生から直接指導を受けたり、他の生徒と複数人で学習をしたり、特別活動に取り組んだりします。

しかし中には「人と会うのが不安」「持病を抱えており体調を崩しやすい」と言った理由から、スクーリングの日になっても学校に行かない・行けないケースもあります。

学校によってはオンラインでの面談や指定した動画の視聴によってスクーリングを代替できる場合もありますので、入学する前にスクーリング制度を確認しておくことで解決できます。

スケジュール管理に問題がある

先程の精神的・身体的理由によって学校に行けないのではなく、スケジュール管理に問題がある場合もあります。

・そもそもスクーリング日を把握していない
・学外の活動が忙しい
・スクーリングがあることを忘れて別の予定を入れてしまっている

と言った具合で、キツい言い方をすれば自己管理が全くできていない状態です。

こういったケースも同様に単位の習得が難しくなっていきますので、卒業時期が遅れたりして、次第に生活そのものがルーズになっていく要因にもなり得ます。

学業以外のことに没頭してしまう

通信制高校には、学業以外のことと両立しながら通っている生徒も大勢います。

・プロのアスリートを目指して練習したり大会に出場している
・芸能活動を行なっている
・アルバイト含め、働きながら通っている

これらは全日制高校ではできない通信制高校ならでは特色ですが、だからといって学業を疎かにして良いわけではありません。

若い頃に夢中になれるもに没頭する経験は素晴らしいですが、通信制高校を選んだ目的を考えればきちんと両立ができるはずです。

関連:通信制高校なら自由!アルバイトと学業を両立して高卒資格取得を目指す

孤独感を感じてしまう

自宅で一人で学習に取り組んでいると、孤独感を感じてしまうこともあるようです。

勉強したくない、課題がめんどくさい、何もやる気が出ないという気持ちは、誰にでもあるものかもしれませんが、周囲に友人やクラスメートがいることで刺激をもらって自分も頑張るということができにくい環境にあります。

こういった場合には、スクーリングの際に他の生徒と交流してみることで同じような悩みや不安を共有でき、前向きに取り組む気持ちや一緒に頑張る存在を得られるかもしれません。

登校した際に先生に相談しながら、参加できそうな活動を見つけてみてはどうでしょうか?

関連:通信制高校の部活動やクラブ活動はできるの?実情と合わせて解説

通信制高校は勉強できないのではなく、しなくなることに注意しよう

今回は「通信制高校は勉強できないのか?」というテーマについて解説しました。

通信制高校は勉強に不向きな環境ではありません。

しかし自分を甘やかす気持ちで日々を過ごしたり、自己管理が適切にできない生活ばかりしていると「勉強しないこと」が当たり前になってしまいますので注意しましょう。

自分の中でしっかりゴールを定めて勉強すれば、むしろ学校生活以外のことも充実させられる可能性が高まります。

「楽そうだから」「勉強できなくてもよさそうだから」という安易な気持ちではなく、なぜ通信制高校を選ぶのかを考え、自分に合った学校を選んでみてください。

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