
通信制高校ってどんな学校なの?



全日制や定時制高校とはどう違うの?
高等学校の教育課程には全日制・定時制・通信制という3種類があります。
学校教育法により各教育課程ともに、3年以上の在籍をしていることが卒業条件として定められています。
教育課程ごとに特色や仕組みの違いはあれど、全課程を終了すれば高校卒業資格が得られることに変わりはありません。
この記事では、通信制という教育課程を取り上げて詳しく見ていこうと思います。
通信制高校と全日制・定時制の違い
入学・卒業に関して
通信制高校の多くは単位制・2学期制を採用しており、それによって全日制・学年制にはない柔軟なシステムとなっています。
入学
二学期制のため、入学は4月と10月に行われる学校がほとんどです。
その時期に合わせて、3〜4月と8〜9月に新入生を募集する傾向があります。
しかし学校によっては随時受け入れを行なっている場合もあります。
入学の際に必要な学力試験は、現在の学力を把握するためのものであり、学力によって合格不合格が決まることは滅多にありません。
転入・編入
転入は随時受け入れ、編入は入学と合わせた時期、もしくは随時行なってる学校もあります。
卒業に必要な在籍期間は、以前通っていた高校のものが引き継がれます。
卒業
二学期生の学校は9月と3月に卒業します。
卒業のためには74単位の取得や3年以上の在籍期間が必要となります。
単位制のため学年や進級の区切りはないので、留年はありません。
自分のペースで学びながら3年以上かけて卒業することも可能です。
授業時間
全日制・定時制の高校では、学校側によってあらかじめ時間割が大まかに決められている学校がほとんどです。
授業時間は全日制で5〜8時間、定時制では4時間となっています。
一方通信制の学校では、スクーリングと呼ばれる登校日には学校で対面授業を受けますが、それ以外の日は自宅などでレポートを進めることがほとんどです。
登校頻度
全日制の場合は平日の昼間、定時制の場合は昼間もしくは夜間に登校して授業を受けます。
通信制の学校では、どの程度の頻度で通学するのかを自分で決められる場合やまとまった期間で合宿などに参加するなど選ぶことができます。
毎日通学する必要はないので、人間関係を築くのが苦手な人ややりたいことと両立したい人などに選ばれやすいです
通信制高校の仕組み
通信制の学校は学年制ではなく単位制を導入していることがほとんどです。
単位制の特色の一つとして、個人の進度に合わせて学習を進められることが挙げられます。
そのため最短3年で卒業することも、在籍可能期間を最大限利用して10年以上かけて卒業することもできます。
卒業に必要な単位は主に、レポート・スクーリング・テストを通じて取得していきます。
レポート(課題添削)
学校が定めた回数の課題に取り組み提出し添削指導を受けます。
レポートといっても穴埋め形式、小テスト形式、要約などが多いそうです。
以前は教科書に基づいて学習して学校へ郵送していましたが、最近はネットeラーニングを活用する学校も増えてきました。
スクーリング(面接指導)
学校に登校して授業や面談を受けることをスクーリングと呼びます。
スクーリングでは、普段の自宅学習でわからないところや疑問点などを直接質問できます。
また、登校日という位置付けで登校頻度は学校によって様々です。
テスト(試験)
定められた回数のレポートとスクーリングを行うと、学習内容の理解を確かめるためにテストを受けます。
テストに合格をすれば単位の習得が認められ、落ちた場合は再テストとなります。
通信制サポート校を利用する
通信制サポート校は民間の教育施設で、通信制高校と名前は似ていますが別物です。
通信制サポート校は3年間で卒業できるように学業、精神面、生活面でサポートすることを目的としています。
自宅で一人で勉強しているとわからないことが増えた時に挫折しやすいため、通信制サポート校を利用して学習内容の理解や定着を図る生徒も増えています。
ただし、通信制サポート校だけ通っても高卒資格は得られません。
技能連携制度を利用する
高等専修学校に入学と同時に広域通信制高校に入学し、3年間で二つの学校を卒業できる制度。
技能連携制度を導入した高等専修学校を技能連携校と呼び、技能連携校で学習する専門科目も最大半分までは通信制高校卒業に必要な単位として認められるので生徒の興味や将来展望に合わせて学ぶことができます。
高校卒業時に資格を生かして働きたい人、進みたい道が決まっている人におすすめです。
通信制高校を利用している人
通信制高校は非常に幅広い生徒を受け入れています。
学業不振により高校卒業が困難なので転入した人
高校を一度中退した人
働いている人
持病があって欠席しがちな人
人間関係などの悩みで不登校だった人
発達障害があり通常の学習が難しい人
競技との両立をしたいアスリート
芸能活動と学業の両立をしたい人
上記は一例ですが、通信制高校は柔軟なシステムや学習できるコースの多様化によって注目されるようになりました。
自分のペースで学びながら高校卒業を目指すことができますので、現状の学校生活に不安がある方や、社会に出た後に再び高校での学習をしたいと感じる方は一度資料請求をしてみてください。